動脈硬化の危険因子

動脈硬化の危険因子は脂質異常症だけではありません。高血圧、糖尿病、喫煙、年齢や性別なども動脈硬化の危険因子です。

ですから脂質異常症の人が、さらにこれらの危険因子を持っていると、動脈硬化はより進み、心筋梗塞や脳卒中の危険性が増します。
 
高血圧とは血管にかかる血液の圧力が高くなった状態で、血管の内壁にはいつも高い圧力がかかり、傷つきやすくなります。血管壁に傷ができてしまうと、そこからLDLがしみこみやすくなり、動脈硬化が進行します。

また糖尿病になると、体内の糖の利用効率が下がって、血液中のブドウ糖濃度が高い状態、高血糖が続きます。
つまり、血液中に常にたくさんのブドウ糖があるわけで、この糖もまた血管壁を傷つけ、動脈硬化を進めます。

しかも糖尿病になると中性脂肪の分解がなかなか進みませんし、逆に余っている糖からは中性脂肪がつくられやすくなります。結果として中性脂肪が多くなってLDLコレステロールが増えます。
そして、中性脂肪が多い影響でHDLは減ってしまい、動脈硬化を進めてしまうのです。
 
喫煙は、タバコに含まれるニコチンをはじめとするさまざまな有害物質が血管壁を傷つけ、LDLを酸化させることによって動脈硬化が進みます。

これらの危険因子は自己管理でコントロールが可能なものです。

しかし、年齢と性別はどうしようもありません。

動脈硬化はたとえ何の病気がなくても加齢にともなって進みます。これまでの研究から、男性は45歳以上、女性は55歳以上になると危険が高まることがわかっています。

男女で10年の差があるのは、女性は女性ホルモン(エストロゲン)の働きがあるからです。
 
エストロゲンには血管壁を守り、血管壁が厚く、硬くなるのを防ぐ作用がありますし、LDLコレステロールを減らしてHDLコレステロールを増やす作用があるのです。しかし、エストロゲンに守られていた女性の血管も、閉経後は動脈硬化が進みます。年齢と性別はコントロールができないことですから、女性も高齢になればなるほど注意が必要ですが、男性は、女性よりも、さらに注意が必要だということなのです。

ここでポイントとなってくることは、これらの危険因子であるリスクをできるだけなくすことです。
 
脂質異常症、高血圧、糖尿病、喫煙などの動脈硬化の危険因子はどれかひとつあっただけでも、それが著しく悪化した状態であれば動脈硬化を進めますし、一つひとつは軽い状態でもいくつかが重なっていると動脈硬化を進めてしまいます。
 
5つの危険因子すべてを持っている人が将来、心筋梗塞などの心臓病で死亡する確率は、何もない人の4~5倍にもなるのです。
 
ですから、動脈硬化性疾患にならないために、危険因子はできるだけ減らしていきましょう。