コレステロールは高いほうがいい?

今、「コレステロールは高いほうがいい」とか「下げすぎは問題」といった主張が、新聞やマスコミ・専門家の人達から発せられていますが、本当なのでしょうか?

今までの、コレステロールが高いことはいろんなリスクがあるので、下げたほうがいいとしていた考えが間違っていたのでしょうか?

まず、「高い」「低い」をいう前に、どの程度のコレステロール値がよいのかは個人個人で違いがあるということは、押さえておく必要があります。

つまり、その人が動脈硬化の危険因子をどれだけ持っているかによって、目標値と治療方針が決まってくるということです。
 
心筋梗塞や狭心症をやったことがある人たちや脳卒中の経験者は、LDLコレステロールを徹底的に下げたほうがよい。

これは今までのいろいろな研究結果ではっきりしていることです。

それから高血圧や糖尿病肥満などの動脈硬化の危険性が高い人たちもそうです。

日本動脈硬化学会では、動脈硬化の危険性が高い人たちを「ハイリスク者」と呼び、コレステロールの管理目標値を定めています。

一方、こうした危険性のない人は、コレステロールを下げる治療をする必要はないと言えます。
 
しかし現代の生活では、年齢を重ねるにつれて動脈硬化のリスクが増え、生活習慣病が増えていきます。

実際、多くの方が高齢になるにつれて、いくつもの危険因子を持つようになり、少しでもリスクを減らすために、コレステロールを下げたほうがよいと言われているのです。

また女性の場合も男性とは治療方針が違ってきます。

というのは、女性はよほど動脈硬化が進んだとき以外は、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の危険が低いからです。
 
一般的に女性はコレステロールが低く、多少コレステロール値が高い場合でも動脈硬化は進みにくいようです。

女性の血管は女性ホルモンのエストロゲンに守られています。

加えて、HDLを増やしてLDLを減らすのも女性ホルモンの作用のひとつです。

HDLは動脈硬化を防いで治してくれる善玉コレステロールです。

ですから閉経前の女性には、コレステロールを下げる治療はよほどのことがないかぎり必要ありません。

女性ホルモンの働きがなくなっていく閉経後からは女性も注意は必要ですが、それでも、HDLが高く、動脈硬化が進んでいなければ薬物療法はいらないと思います。
 
男性、女性いずれにしてもリスクが多ければコレステロールをしっかり下げる、これが基本です。

このように個人差と男女差を診て、コレステロールを下げたほうがいいのか、そのままでも問題ないのかが決まってくると思います。